Column 家づくりコラム

塩害から家を守る!沖縄の沿岸部でも安心な住宅選びとメンテナンスのコツ
塩害から家を守る!沖縄の沿岸部でも安心な住宅選びとメンテナンスのコツ
2025.07.30
沖縄の塩害は住宅にどのような被害を及ぼすかご存じでしょうか。
塩害は沖縄の地形や気候が引き起こす自然現象であり、対策をしなければ家の外観だけでなく内部の構造部分にまで深刻な影響をもたらします。せっかくのマイホームが自然現象によって老朽化してしまうのは、できるだけ避けたいですよね。
今回は沖縄の塩害によって起こる住宅への影響や具体的な対策を解説していきます。沖縄で家を建てようと考えている人は、ぜひ今回の記事を塩害に強い家づくりの参考にしてみてください。
クレバリーホームでは沖縄の風土に適した塩害や湿気に強い住宅をご提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。
目次
沖縄に塩害が多い理由とは?
そもそも沖縄に塩害が多い理由をご存じでしょうか。さまざまな要因がありますが、ここでは主な原因を3つ解説していきます。
- 海に近い
- 台風が頻繁に発生する
- 高温多湿のせい
塩害の理由を正しく理解するとどのような対策が効果的か判断するのに役立ちます。
海に近い
沖縄で塩害が発生しやすいのは海に近いためです。四方を海に囲まれている沖縄では、塩を多く含む風が年間を通して強く吹きます。
また、珊瑚礁が多く集まる浅瀬で波が打ち上げられ、空気中に舞う塩を風が運ぶ沖縄特有の地形も関係しています。
海から7キロメートル以内に位置する場所は塩害地域とされており、那覇市や糸満市など海に近い都心部でもほぼ全域で塩害の影響を強く受けやすいです。
琉球大学の調査によれば、沖縄の塩害による建物の腐食スピードは全国と比較しておよそ5〜10倍とも言われています。
台風が頻繁に発生する
沖縄の塩害は台風の多さも関係しています。台風は強い風で海水を巻き上げるため、塩を多く含んだ風が内陸部へ届きやすくなります。
沖縄は熱帯地方で発生した台風の通り道に位置しているため、日本本島よりも台風を受ける回数が多いです。また、台風は沖縄付近で進路を変更する際に長く止まる傾向にあります。そのため、沖縄の台風による影響は通常よりも大きくなります。
このような勢力の強い台風が頻繁に発生する気候状況も沖縄で塩害が多い理由の1つです。
高温多湿のせい
沖縄の高温多湿な気候は塩害の影響に拍車をかけます。
高温な環境では金属が膨張しやすくなります。建物の鉄筋が膨張するとコンクリートに亀裂が入り、内部へ水分が入り込むため鉄が錆びやすくなってしまうのです。
また、湿度が高いと風で運ばれた塩が水分と結合しやすくなり、塩害が発生しやすくなります。沖縄は月の平均湿度は冬で70%ほど、梅雨の時期になると80%以上とかなり高いです。
このような高温多湿な環境も塩害の被害が大きくなる理由です。
沖縄での塩害が住宅に与える影響

では、具体的に塩害によって住宅が受けるダメージにはどのようなものがあるでしょうか。ここでは代表的な塩害の影響を4つご紹介します。
- 鉄筋コンクリートの劣化
- 金属類の腐食
- 外壁の剥がれや錆
- ガラスの曇りやベタつき
想定される被害を具体的にイメージできれば、事前にどのような対策を打てばよいか判断できます。
鉄筋コンクリートの劣化
塩害で住宅が受ける影響に、鉄筋コンクリートの劣化が挙げられます。塩分を含んだ湿気がコンクリート内部に浸透すると鉄筋が腐食して膨張し、コンクリートにひび割れを生じさせます。
鉄筋コンクリートの劣化は建物の耐久性が著しく低下するため、大規模な修繕が必要になります。
RC住宅は木造よりも坪単価は高価な反面、寿命が長く修繕費用が抑えられる点が魅力です。しかし、塩害によって鉄筋コンクリートが被害を受けてしまうと、想定外の修繕費用が必要になってしまう恐れもあります。
金属類の腐食
塩害は金属類の腐食を進行させます。
金属類の腐食は、水分と酸素が化学反応を起こして金属に溶け出すことで発生します。塩は吸水性が高く表面に付着すると水分を取り込みやすくなるため、金属類の腐食を促進するのです。
木造住宅の場合でも、ベランダの手すりや門扉、給湯器配管などの屋外のさまざまな箇所に金属部分が存在します。見た目が悪くなるだけでなく、金属部材の交換や塗り直しに10万円単位での費用が必要になる場合もあります。
外壁の剥がれや錆
沖縄の塩害は外壁の剥がれや錆の原因にもなります。前述の金属類の腐食同様に、塩害は外壁材を保護する塗料の酸化を促進し、外壁の剥がれを引き起こします。
塗料が剥がれて内部が表面に露出すると日光や雨水の影響をダイレクトに受け、建物全体の耐久性が低下するケースも多いです。
また、一般的に10〜15年の塗料の塗り直しスパンが、塩害によってさらに短い期間で必要になることも。表面のみの被害と放置してしまうと、深刻な被害に発展してしまう恐れもあるため注意が必要です。
ガラスの曇りやベタつき
塩害は建物の構造への影響だけでなく、ガラスの曇りやベタつきも引き起こします。
塩分を含んだ水は、ガラスに付着し蒸発すると塩だけが残ります。残った塩を掃除するには、専用のクリーナーが必要になり、水拭きだけではきれいに取り除けません。
また、掃除がおっくうだからといって放置していると、日光や空気中の成分との化学反応によって結晶化して水垢になってしまいます。このような状態になると、もはや掃除では取り除けずガラスの研磨が必要です。
塩害による窓への影響は軽微だと思い対策をせずにいると、外から見た際に汚れた家の印象を与えてしまうかもしれません。
沖縄の塩害対策

ここまで塩害の仕組みや住宅に現れる被害を解説してきました。ここからは、どのような対処法があるか、具体的な沖縄の塩害対策を3つご紹介します。
- 自然素材のタイルを使う
- 防錆処理を行う
- メンテナンスを行う
大切な家を塩害から守り長持ちさせるためにも、それぞれの対策を押さえておきましょう。
自然素材のタイルを使う
おすすめの塩害対策に自然素材タイルを外壁に用いる方法があります。
タイルとは粘土のような自然素材を高温で焼き固めた陶磁器製の建築材料です。タイルは素材や性質ごとに以下のように分類されています。
タイルの種類 | 特徴 |
磁器質タイル(Ⅰ類) | 石英や長石・粘土などを1200〜1350℃で焼き上げたもの。緻密で固くなっており、吸水率が3.0%以下と低い。 |
せっ器質タイ(Ⅱ類) | 粘土や長石を1200℃前後で焼き上げたもの。吸水率が10%以下と少し高いものの、素朴な雰囲気が感じられるデザイン性の高いタイル。 |
陶器質タイル(Ⅲ類) | 陶土や石灰などを1000℃前後で焼いたもの。吸水率が50%以下と高いため、トイレや洗面所、浴室、キッチンなどの水回りに使われる。 |
吸水性の低く金属を含まない自然素材タイルを外壁に用いれば、塩害による影響を受けづらいです。全国タイル業協会の調査では、一般アクリル系塗料と比較した場合、タイルは経年変化がほとんど見られなかったという報告もあります。
塩害が懸念される沖縄で家を建てるなら、影響を受けにくい自然素材タイルを利用してみるとよいでしょう。クレバリーホームでも、タイルを活用した家作りをご提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
防錆処理を行う
理想とする住宅を建てるためには、どうしても金属が必要になる場合もあるでしょう。そのような場合は、防錆処理を施すとよいです。
一般的に、住宅の防錆処理には塗料の重ね塗りや、コンクリートを分厚くして鉄筋までの暑さを確保する方法などがあります。塩害を想定した防錆処理を徹底すると住宅の寿命を伸ばせます。
クレバリーホームでは、柱と梁の接合に耐久性の高い高精度HSS金物を使用しています。さらに、自転車の金属部分にも使われる、カチオン電着塗装をはじめとした何層もの塗装処理をするため、高い防錆高価も実現しています。
沖縄で塩害に強い木造住宅をご希望の場合は、ぜひクレバリーホームへお問い合わせください。
メンテナンスを行う
塩害による影響を最小限にするためには日々のメンテナンスも欠かせません。沖縄の塩害は目に見えて現れなくても、少しずつ影響がでています。
例えば潮風に晒される外壁には、気付かないうちに塩が付着していきます。劣化が現れ始めた頃には手遅れになっているケースも珍しくありません。
そのため、定期的な点検や外壁の洗浄をして、塩害の影響が出る前に被害を防いでおくとよいです。未然に対策をしておくと、大規模修繕やリフォームの必要がなくなるため、トータルでかかる費用も抑えられるでしょう。
まとめ|沖縄で塩害に強い住宅を建てるならクレバリーホームがおすすめ

今回は沖縄の塩害の仕組みや住宅が受ける被害、具体的な対策を解説しました。沖縄では特有の気候から塩害によってさまざまな影響を受けるため、対策を考えたうえで住宅を建てる必要があります。
ぜひ今回の記事を参考に、沖縄の塩害に強く長持ちする住宅を手に入れましょう。
クレバリーホームは沖縄の気候に適した木造住宅の建築実績が豊富です。さまざまな塩害対策によって長く快適に暮らせるマイホームをご提供しています。沖縄で住宅購入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。